衆議院 総選挙 神奈川4区
私の住む地域の選挙区である。
神奈川県選挙管理員会のwebサイトからデータを拾ってきた。
神奈川県内の有権者数|選挙人名簿
市区町村名 | 男 | 女 | 計 |
栄区 | 51,128 | 52,785 | 103,913 |
逗子市 | 23,567 | 26,782 | 50,349 |
三浦郡葉山町 | 12,932 | 14,678 | 27,610 |
鎌倉市 | 70,366 | 78,644 | 149,010 |
計 | 157,993 | 172,889 | 330,882 |
こうして比べてみると、鎌倉市の票が大きい。
立候補を予定しているのは次の通り。
自民党(古賀派) | 林 潤 | 党局次長 |
民主党 | 長島 一由 | 元逗子市長、元鎌倉市議 |
みんなの党 | 浅尾 慶一郎 | 元参院議員、元民主党 ネクスト防衛大臣 |
幸福実現党 | 小原 真理 | 団体支部長 |
無所属 | 伊藤 航平 | 建築業 神奈川土建一般労組青年部書記長 |
誰でも良いという訳ではない
民主に期待する気持ちは解る。
結局のところ自民がダメなのは判った。民主もダメかどうか、とにかく一度やらせてみようという気持ちは大きい。
それでは党の政策がよければ、候補者個人の資質はどうでもよいのだろうか。
党本部としては、民主党の幟を持って立っていれば、案山子でも当選できると思っているのだろう。
案山子でも犬でも猫でも当選できればいいのかというとそんな訳はない。
衆議院議員総選挙が小選挙区制を中心にして行われているということは、選出された議員はその選挙区を代表しているのである。その議員が箸にも棒にもかからない人間ではまことに困る。
やはり、資質に欠ける候補者は民主党候補であっても落とすべきだろう。
新聞各紙の調査では民主300議席という予想が出ている。絶対安定多数の遥か上だ。
さすがにどうしようもない候補者というのはごく一部であろうから、そういった候補者が落選しても民主党の政権奪取は揺るがないだろう。
各選挙区でダメ候補が落選した結果、民主党惨敗ということになったら、民主党も所詮それまでの党ということに過ぎない。そういう候補者選びしかできなかったのだから。
民主は割れる
結局のところ民主党政権誕生は間違いないだろう。
不安があっても、不満を持ち続けるよりは未知数に期待する気持ちの方が大きいからだ。
ただし、先行きは怪しい。
外交、安保政策で党内の一致をみない上に、社民党と連立を組むのだから遅かれ早かれ分裂するだろう。
社民党が連立を解消するか。民主党内の現実路線派が党を割るか。
それは判らない。
そのあたりが政権交代のみを目的としてきた弱みだ。どのような国をつくるのかという理念が無い。
二大政党による政権交代というのは、他に選択肢が無いという点で非常に不幸だ。
マニフェスト選挙というのは政策をセットでしか選択できない。
いっそ民主党も自民党も割れてもらって多党制で政策分野ごとにフレキシブルに閣外協力をしてもらったほうが良い。
政界再編に期待したい。
民主党への不安
民主はその成り立ちからして寄せ集め集団だった。それは今もなんら変わりない。党内には右もいれば左もいる。自民だって左右差はあるが、ここまでの振幅はない。全ての不安はここだ。
だから、マニフェストを見ても理念というものが感じられない。あっちからこっちから言われたことをまとめただけで、つまるところバラマキ政策となってしまった。党内でマニフェストをまとめる過程がまったく不透明な点から見てもそれは判る。将来を見ていないというか、目先のことしか書いていない。国民の生活重視という言葉でお茶を濁しているが、国家が破産しても国民の生活が成り立つのだろうか。
日教組との関係も不安だ。日本の教育がここまで劣化したのは日教組の力が大きいということは衆目一致するところである。その勢力が民主党政権に期待を寄せている。日教組出身の民主党幹部が大臣になったらまさに悪夢だ。官公労組との関係もある。公務員改革はすすまないだろう。
党内にはこれらにまったく反対の立場の勢力があるのだから、政権運営は困難だ。現状、党内が一致しているように見えるのは政権獲得というひとつの方向性に向かっているからであって、実際に政権を獲得したらどうなるか判ったものではない。はっきりいって民主党そのものが連立党なのだ。細川連立政権がたどった末路を民主党もなぞる可能性は非常に高い。
自民党への不満
経済政策的にはここ最近は大きな失策は無いのだが、不満なのは構造的に利権(しがらみといっても良い)に縛られていることだ。それが結果的に政策を実現するに当たって肝心の部分が骨抜きにされているか、または国民全体に利益が還元されていない。
小泉純一郎という人は外交に見られるように、ぶれない、突破力という点では政治家としては偉大な人物だと思っているが、あまりに独善的すぎた。官僚や族議員からの脱却を目指す為にオリックスをはじめとする経済界を重用したが、かえってそれらの勢力に新たな利権を与えてしまい、国民への利益の配分に大きな歪みが出てしまった。いまや経済財政諮問会議は新たな伏魔殿である。
麻生政権になってからはずっと解散総選挙をにらむ政局中心の情勢になってしまったために、政策に関しては派遣問題のような小泉改革の微修正くらいしか見えてこない。結局、不満は解消されなかったのだ。その不満は総選挙を目前としてマニフェストを発表したからといって変わらない。
不満と不安
普段あまり積極的に関わることはなかったのだが、最近気になることが多いので少し書いてみることにした。
今回の総選挙は政権選択選挙だという。麻生首相は政策選択だというが、政策あっての政権なのは自明なのでその辺はどっちでも変わりのないことだろう。
冷静に各党のマニフェストを読んで見て、やはり現実味があるのは自民党だと思う。民主党のそれは良いことばかり書いてあるが、「本当にできるの?」という印象が強い。同じことを共産党が書いているなら、それはそれで説得力があるのだ。「軍事費をゼロにして財源に充てます!」と言えるのだから。
どこかの新聞記事にあったが、「自民には不満、民主には不安」というのはまことに的を射た表現だと思う。